顧問弁護士契約を結ぶことのメリットとしての、「法的トラブルの早期発見、早期対応」とはどういう意味でしょうか?もう少し詳しく説明してください。

顧問弁護士契約を結ぶことの中心的な目的の一つは、
法的トラブルの早期発見、早期対応という点にあります。

病気の発見が遅れて、手遅れになったということがあるように、
法的トラブルに関しても、法的トラブルの早期発見、早期対応という点は非常に重要です。

取引先が経営不振で売掛金の回収に不安が発生してきた場合、
不渡り手形が出る前日に取引先に交渉に行っても、連絡さえ取れない、
あるいは弁護士から破産の連絡が入り、
どうしようもないといった相談を受ける事が多々あります。

もちろん、このような場合において、
必ず売掛金を回収する方法があるというわけではなく、
努力をしても結果的には効果がなかったということも少なくないのですが、
やはり、少しでも早く対応することで、売掛金の一部でも回収が実現する余地もあります。

例えば、私の弁護士としての経験でも、
取引先の状況が比較的切迫していない時点においては、
それまで会社(法人)だけが売掛金の債務者であったところ、
代表者に個人保証を要請し了解してもらったことで、
後日、代表者から支払ってもらえたということもあります。

また、取引先の売掛金について債権仮差押さえという手続きをして、
債権回収を図れたこともあります。

また、法的トラブルについて、弁護士に相談せず、自分で対応した結果、
相手方との交渉の仕方が悪く、感情をこじらせて
解決を一層困難なものにさせていたということもよくあります。

もし、顧問弁護士がいれば、法的トラブル、そこまではいかない心配事等、
いつでも思い立ったときに気軽に相談できます。
また、日頃から、法的トラブルについても早期発見の意識、自覚が強くなることもあるでしょう。

顧問弁護士も知り合いの弁護士もいなければ、法的トラブルが発生した場合、
まずは弁護士捜しから始めなければならず、早期対応は困難です。

法的トラブルの早期発見、早期対応という点では、
顧問弁護士がいるか否かで雲泥の差が生じるのと思われます。