ここでは、まず、民事事件と言われるものを説明します。
交通事故にあって損害を受けたが、相手方が賠償をしてくれない、
マンションに住んでいるが上の階の部屋の騒音で夜眠れない、
親が死亡したが、遺産の配分について兄弟間で話がつかない……等々、
自分あるいは家族、親族、知人等を見渡すと、
おそらく全く法的トラブルがないという人はいないのではないでしょうか。
こうした法的トラブルは、多くは、どちらかが我慢したり、話し合いをしたり、
あるいは時間の経過で何とかなったりすることも少なくありませんが、
どうしても解決しない場合があります。
その場合は、最終的には、どちらかが、裁判所に対してどちらの言い分が正しいか判断を求め
(「提訴する」「裁判をする」等と言います)、裁判所が結論を出すことで、解決となります。
裁判に負けた相手方が裁判の結論に従わない場合は、
さらに、裁判所に対して裁判の結果が実際に達成されるようにすることを求める
強制執行という手続きがあり、それを求める事になります(ケースによりいろいろですが)。
このように、法的トラブルの多くは、最終的には裁判所という国の機関において、
裁判という形で解決されるようになっています。
したがって、法的トラブルがあって、容易に解決しない場合は、
裁判になったらどうなるだろうか(勝つか、負けるか、どちらでもないか)ということを考え、
結果を予測しながら、裁判をする場合としない場合
(話し合いで何らかの合意をする場合、何もせず放置する場合)
とのメリット、デメリットを比較しながら、適切に対応していく必要があります。
しかし、そのためには、十分な法律的な知識と、裁判や話し合いの十分な経験等が必要であり、
弁護士ではない一般の方が自分一人で対応することはほとんど不可能と思われます。
事件の内容がそれほど大きいものでない場合は、ある程度の不利や危険を覚悟して、
自分で対応することもありえますが、そうでない場合は、弁護士に依頼することは不可欠と言えます。
民事事件について、弁護士が依頼を受ける場合は、通常はその人の代理人という資格で活動します。
裁判の場合には、訴訟代理人(原告代理人、被告代理人等)という立場で活動します。