弁護士に、どうしたら病気が治るかとか、
どのような家を建築したら良いか等の相談をする人はまずいないでしょう。

また、純粋に、就職や恋愛、結婚等に関する相談も、
弁護士に法律的な相談をしてみたいと思う人は少ないでしょう。

ただ、例えば就職先の会社がやっている業務とか待遇等に法的な問題がありそうだが、
そのあたりを聞いてみたいというようなことはあるかもしれません。
相談料を払ってまでも、相談する必要はないが、ちょっと聞いてみたいというようなことも少なくないでしょう。 

そういう場合は、弁護士と友達関係になれれば、
正式な相談ということでなく(相談料は支払わず)、
ちょっと聞いてみるというようなことができるかもしれません。

実際に、私も同窓会があった翌日とか、ちょっと知り合った友達等から、
「ちょっと、教えてほしいけど、いいですか」というような電話を受ける事はしょっちゅうあります。

また、法律問題であっても、法律は万能ではなく、解決が困難あるいは不可能な問題もあります。
例えば、「他人にお金を貸して返済してもらえないが、相手方は破産寸前である」
―こういう場合は、最終的には、弁護士に依頼しても、弁護士費用だけが無駄になる可能性が高く、
結果的には依頼することにならない場合も多いでしょう。

しかし、状況とやり方によって、回収が出来る場合もあります。

ですから、とりあえず、相談だけはしてみるということが必要かと思います。
相談の中で、解決の見通し、可能性、費用やその他の負担等、
依頼のメリット、デメリット等を具体的に確認した上で、
依頼するかどうかを判断されることをお勧めします。

逆に言うと、相談者が依頼するかどうかを判断するためのいろいろな情報や意見を提供することが、
相談の場における、弁護士の中心的な仕事ということになります。

初めて、法的トラブルについて弁護士に相談する方は、
弁護士に依頼することがどういう意味があって、
依頼した方が良いかどうか、全く見当もつかない方がほとんどと思われます。

したがって、相談を受けた弁護士は、これらについては必ず分かりやすく説明する必要がありますね。